東京行きの1番の目的であった多摩美での西岡文彦先生の講座。
先生の著書のすべてに言えるのは、
読んでいるとき、自分が頭が良くなってる気がすること。
もちろん、頭が良い人が書いた本であれば、
どれでも「頭が良くなってる気」になれるとは限りません。
芸術に関して造形が深いのはもちろんのこと、
受け売りの知識だけはなく、心の底から感じたことを、
元編集者の卓越した技術で書いておられるから、
私はそう感じるのだと思います。
・・・ということで、
数年前に古本屋ではじめて本を買ってからファンなのです。
一度、本物にお会いしたいと、はるばる行ってきました。
時間ギリギリに教室に入ると、席についているのは50名ほど。
50歳代、60歳代の方が中心でした。
1時間目は、ゴヤの絵の解説。
2時間目は、ソビエト版・アメリカ版の映画『戦争と平和』の比較。
ず~っと、関心しっぱなし。分かりやすいのは本と同じです。
率直で全く「もったいぶらない」雰囲気がステキでした。
プロジェクターを使った授業で教室が暗かったので、ノートもとらず、ほとんど忘れちゃいましたが・・・。
アカンがな。
ひとつだけ、印象に残ったお話を。
オマージュについて。
「人間は寂しがりやだから、誰かと共感したい。
オマージュは、自分がまだ表現できていない感情をあらわすことに成功している作品に対して敬意を払い、尊敬する先人の心の動きを追体験すること」
というようなことを言っておられました。
メモをとってたわけでないので、間違ってたらすみません。
逆に言えば芸術を志す人は「こういうの(気持)って、あるでしょ?」というのを、
何らかの手段を使って、第三者に共感させようってしてるんでしょうね。
▽西岡先生の載ってるページ。格好いいです。
http://www.bunkamura.co.jp/gathering/guest/guest05.html
帰り。唸りながら授業内容を反芻しつつ、新幹線で、ルネッサーンス。
プラスチックやけど。