スイミング・プール (2003/仏=英)

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ミステリーやサスペンスにあまり興味がありません。
結末を知っていても、映画の面白さって、さほど変わらないんじゃないの?と思っていました。
が、この映画は、結末を知らなくて良かった!!!
▼▼▼ネタバレです▼▼▼
イギリスの初老のミステリー作家、サラ・モートン。
作品はソコソコ売れているものの、作家としての方向性に疑問をもっている。
彼女は、プライベートでは彼氏でもある
出版社の社長が所有するフランスの別荘へ一人でバカンス&仕事で行くことにする。
・・・たぶんココまでは現実(映画のなかの現実)。
そして、これから後は作家であるサラの小説の中との境界線が曖昧になってくる。
もちろんそれは映画のクライマックスで明かされることであって、
わたしはラスト10分まで「現実」として映画を鑑賞しました。
別荘にやってきた彼氏の娘、ジェリー。
彼女が引っ張り込んでくる、何人もの男性。
そして殺人事件が・・・。
これがサラの作った物語だと気づかないなりにも、
沢山の違和感を感じました。
●違和感1
後に殺される別荘近くのレストランのウエイターが登場するシーン。
重要な役割を果たすにしては、
あまりに感情のこもらないドキュメンタリーのような映像。
・・・多分これは「現実」ですね。
サラのストーリーの「殺される登場人物」のヒントになる現実のふつうの男。
●違和感2
ジェリーの連れてくる男たち。
神々しいほどに美しいジェリーとは対照的な男性陣。
やさしくもなく、知的でもありません。
それなのにジェリーは「行っちゃいや」「絶対また来てね」と、媚まくる。
あまりに不自然。
・・・地味な初老作家サラの美しさや若さに対する嫉妬?
●違和感3
別荘を管理するおじさんの娘の不思議の国住人のような風貌。
この殺人事件に必要な登場人物なのか???
以上のような「なんだか変だな~」というような気持で、クライマックスを迎えます。
サラが社長に今までとは違うタイプの自信作を読ませるシーンで、
「ああ、サラのつくった物語だったのね。」と合点がいくのです。
ジェリーのふわふわした存在感。
その美しさにもかかわらず、誰からも愛されず、ふしだらで絶望的に孤独。
それは初老のミステリー作家、サラの頭の中で想像の女の子だったのです。
なんだかすごく愛おしく、
映画の中の「現実」であっても存在してほしかったような、
不思議な気持になりました。
わたしがこんな気持になるのは、サラが愛おしい存在として描いていたということでしょう。
違和感を思い返して、
「あれは現実かサラの物語か?」と何度も味わっています。
映像と音楽も素敵です。
フランソワ・オゾン。67年生まれの若い監督です。
これからどんな映画をつくってくれるのか、とても楽しみです。
▼スイミングプールのサイト
http://www.gaga.ne.jp/swimmingpool/